2018年1月16日火曜日

歯周病が認知症を悪化させる機序が解明!

歯の話続きですが、うなぎいぬは産婦人科医です。

とはいえ、歯周病は全身に影響しうるというのは以前からいわれていますし、
この高齢化社会で、なるべく自分の歯を残すように、
口腔ケアはとても大事になっていくと思います。

そんな中、興味深い発表がありました。

名古屋市立大学の研究グループが、歯周病が認知症を悪化させる機序を解明したのです。

認知症の約6割はアルツハイマー病で、
その原因は、“アミロイドβ”というタンパク質が脳の神経細胞の中にたまり、
神経細胞が死滅していくこと、と考えられています。

今回の研究で、マウスでの実験で、
歯周病菌が感染していると、アミロイドβの量が1.4倍に増えた、
というのです。

すごく分かりやすい機序で、それを立証した、という発表ですね。
こういった分かりやすい機序が解明されると、
歯周病を予防、治療することがアルツハイマー予防になる、と実感できます。

と書きながら、最近、フロスをさぼっていることを思い出しました。。

今晩はフロスします!

妊娠中に虫歯になったらどうする!?

みなさん虫歯はちゃんと治療していますか?
うなぎいぬも何度か虫歯の治療をしたことがあります。

妊娠中の虫歯の相談は、妊婦健診でよくある質問の1つです。

“妊娠中に虫歯の治療をしても大丈夫ですか?”
“出産後に治療する方がよいですか?”

などなど。

  妊娠中は虫歯、歯周病になりやすい!

妊娠中は、そもそも虫歯や歯周病になりやすいのです。
なぜなら、
  妊娠中は免疫力が低下しやすいから。
  つわりの時期は吐き気のために口腔ケアが不十分になりがちだから。
  妊娠中に分泌量が増える女性ホルモンが、歯周病菌を増殖させるから。
  妊娠中は唾液の分泌量が減って、口腔内が浄化されづらくなるから。

といった理由で、妊婦さんは虫歯や歯周病になりやすいのです。
なので、自治体によっては、妊婦健診の補助券の中に、
歯科検診も含まれています。
ぜひ活用してください!

  虫歯の治療は出産前に、しかも早めにする方がよい!

一般的に妊婦さんは、お腹の赤ちゃんへの影響をすごく心配します。
なので、妊娠中に治療をしたら、お腹の赤ちゃんによくないのではないか、と思って心配して、

“虫歯の治療しても大丈夫ですか?レントゲンは?麻酔は?”
“産後に治療する方がよいですか?”

といった質問をよく受けます。

結論からいうと、

  妊娠中の歯科治療は全く問題ないです!
  歯のレントゲン、局所麻酔も問題ないです!
  妊娠中に、早めに治療しましょう!

なぜなら、早産のリスクが高くなることもありますが、
産後に行こうと思っても、育児に一生懸命になってしまい、
自分の虫歯どころではなくなってしまうからです。
赤ちゃん連れで歯医者さんへ行くのは行きづらいでしょうし。
(うなぎいぬは行ってましたが。。)

そして、前回書いたように、どれだけ気をつけても、
親から子どもへ虫歯菌や歯周病菌がうつることはありうることなので、
そもそもパパママの口の中に、菌がいなければいいのです。

完全に除菌することは難しいにしても、
パパママの口腔ケアをしっかりしておくことは、
子どもにとっても大事なことなのです。

さらに、歯周病があると、早産のリスクが7倍高くなります。
なので、妊娠中、しかも早めに治療するにこしたことはありません。

というわけで、

  まずは、妊娠中に歯科検診!
  歯科検診でひっかかったら、妊娠中に治療を!


ちなみに、虫歯と歯周病は別モノです。

●原因菌が違う
虫歯の主な原因菌は、ミュータンス菌。
歯周病の主な原因菌は、プロフィロモナスジンジバリス菌(嫌気性菌)

●部位や進展の仕方が違う
虫歯は、『歯』自体を溶かす。
表面からどんどん溶かしていって、最後には神経にまで達して激痛になります。

歯周病は、歯茎など、歯の周囲組織に影響を与える。
歯と歯茎の間で静かに増殖して、ゆっくりと歯の周囲組織を壊して、
いずれは歯を支える土台がなくなってしまい歯が抜けます。

こんな違いはありますが、予防は同じで、
毎日丁寧に歯磨きして、フロスや歯間ブラシで歯ブラシでは届きにくいところもきれいにしましょう。
定期的に歯ブラシを新しいものに交換することも大事です。

最後にもう一度、

  まずは、妊娠中に歯科検診!
  歯科検診でひっかかったら、妊娠中に治療を!


です。

2018年1月10日水曜日

虫歯菌予防のために、子どもと箸やスプーンを分けるべき!?

こんにちは、わりとラフな子育てをしているうなぎいぬです。

子どもに虫歯菌が感染するのを予防するために、
親と子どもの食器を完全に分けている、という方、少なからずいると思います。
そういう方は、おそらく子どもにキスもしないように気をつけているでしょう。
そこまで徹底できるのは、尊敬します。

我が家はというと、、お恥ずかしながら、全く気にしていません。

虫歯菌の感染なんて、虫歯に関係ない、と思っているわけではないんです。

色々なエビデンスがでていますが、事実として、

  虫歯菌が少ないにこしたことはない
  歯のはえはじめ〜はえ揃う2歳半頃までが特に要注意

というのは確かなので、気をつけるにこしたことはないです。

ただ、100%感染を防ぐことはなかなか難しいです。

ついうっかり自分のお箸であげてしまうこともあるでしょうし、
大人が食べているものを欲しがることも多々あります。

子どもはほんとうにかわいいので、ついついキスもしたくなります。
別にそれはほっぺにチューするくらいなので、虫歯菌とは関係ないですが、
むしろ、子どもがベロベロなめてくることもあります。

ストイックな人はそういう時でも、子どもを虫歯から守るべく心を鬼にして、
たとえ欲しがっても、自分がかじったものは子どもにあげない、
子どもがなめてきたらよける、
など、しっかり対策をしているのだと思います。

それはそれですばらしいことです。
子どもを虫歯から守ることはとても大事なことです。

それが自然に、ストレスなくできる人はぜひ実践して下さい。

ただ、一緒の箸やスプーンを使わないように気にすることは、
かなりストレスにもなると思います。
自分が気をつけることもですが、
パパやおじいちゃんおばあちゃんなどがうっかり自分の箸であげているのを見つけたら注意したりするのも、
言う方も言われる方もだんだんとストレスに感じてくるかもしれません。

もちろん子どものためではあるのですが、
100%予防するのは難しいですし、
多少なりとも気をつけていれば、それでよいのではないかと思います。

どれだけ気をつけても、唾液の飛沫でうつっているかもしれません。

とはいえ、少しでも気をつけていれば、
それだけ虫歯菌の感染は減るはずですから、
100%完璧を目指さなくてもよいのではないでしょうか。

そう考えるようにするだけで、少し肩の力が抜けるかもしれません。

ただでさえ子育ては日々ストレスとの戦いだと思いますから、
あまり真面目に頑張りすぎると、逆にものすごいストレスになってしまいます。

我が家は、“みんな元気で笑顔が一番!!”がモットーなので、
はじめからあまり気にしないことにしました。

甘いものも、みんなで食べるときは子どもも一緒に食べます。
大人だけ食べて、子どもはダメ、はかわいそうですし、
大人も食べなければいいのですが、美味しいものは食べたいですし。

一応、たまには、子どもが寝たあとに大人だけ食べる、
という対策を講じたりもします。


先日、虫歯菌対策にものすごく熱心な知人が、

 4歳までは同じお箸使わないように!

といっていたのが、

 20歳まで!

と輪をかけて熱心になっていました。。

20歳まで気をつける意味はあるのでしょうか?

“虫歯菌感染予防は2歳半〜3歳頃までが大事”

とよく言われますが、その根拠として、

3歳頃までに口腔内の細菌そうが決まるから、

とかいているものがありますが、それはやや語弊があります。

細菌そうが一度決まるとその後かわらない、
わけではなく、
虫歯菌がひとたび歯の表面につくと、その付着力がすごく強いのだそうです。

なので、歯のはえはじめから、はえそろうまでの間、
すなわち3歳頃までの間に虫歯菌にさらさないようにすることがとても大事、
というわけなのです。

我が家はもう少し気をつけた方がいいかな、と反省しつつ、

ものすごく気をつけていて少し疲れているご家庭がありましたら、
少し肩の力抜いてみてください。
育児は楽しまないともったいないですから!

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