2017年10月8日日曜日

インフルエンザの予防接種はうつべき!?

10月に入って一気に寒くなりました、
そろそろインフルエンザの予防接種の季節ですね。

みなさん、インフルエンザの予防接種は受けていますか?

うなぎいぬは、毎年予防接種を受けています。
というか、病院の職員は、必ずインフルエンザの予防接種をうちます。

うちの子どもたちも毎年うっています。
正確には、下の子は今年からですが。

毎年この時期の産科外来でよくある質問が、
『インフルエンザの予防接種はうった方がよいでしょうか?』

インフルエンザの予防接種はうつべきでしょうか?

世の中的には賛否両論あるようですが、
結論からいうと、

インフルエンザの予防接種はうった方がよいです。
特に、子ども、妊婦さん、高齢者はうつべきです。

詳しくは厚労省のHPに書かれていますが、
ややこしいので要点をまとめておきます。

  インフルエンザの予防接種をうてばインフルエンザにかからない?

残念ながら、インフルエンザワクチンには、
感染を予防する効果はありません。

じゃぁなんのためにうつの!?

というもっともな疑問には、次の項目でお答えします。

インフルエンザの予防接種をうっても、
インフルエンザには感染しうりますが、
発症を予防したり、
発症しても症状が重症化するのを予防する効果があります。

  なんのためのワクチン?

予防接種してもインフルエンザにかかるかもしれないなんて、
うつ意味ないじゃん!!
と、殆どの人が思いますよね、、きっと。

でも、そもそもの目的が、『感染予防』ではないのです。
インフルエンザの予防接種の目的は、
『感染しても、発症や重症化をおさえる』ことです。

毎年、小児科にはインフルエンザ脳症の子たちが入院してきます。
うなぎいぬは産婦人科なので、直接受け持つことはないですが、
小児科の先生から話を聞くだけでつらいです。。

インフルエンザにかかって、運悪く脳症になってしまうと、
運良く意思疎通がとれるとしても色々な後遺症が残りうります。

で、小児科の先生に聞くと、
インフルエンザ脳症で入院してくる子たちはまずほとんとが、
予防接種をしていない子たちなのだそうです。

インフルエンザのせいで、子どもに麻痺が残ったりするだなんて、
もしかしたら、意思疎通もとれなくなるかもしれないだなんて、
ゆるせません!!

予防接種でその確率が少しでも下げられるなら、
絶対にうつべきです。

ただ、残念なことに、
インフルエンザ脳症がどれほどひどい状態かというのが、
普通の人にはなかなか分かりづらいですよね。

インフルエンザにかかったことがある人は多いと思います。
高熱がでて、関節痛もあって、しんどいですよね。

インフルエンザ脳症のこわさを知らないと、
『痛い思いをして予防接種うっても、
どうせかかるかもしれないなら打たなくていいや、
と思ってしまう人がいるのも無理はありません。

でも、脳症になってからでは遅いのです!
転ばぬ先の杖、ってやつです。

それに、やっぱり予防接種した子は、
インフルエンザにかかってもあまり熱が高くはでなかったり、
症状が軽くすんでいる印象があります。

子どもにはぜひ、そして子どもにうつさないためにも、
お子さんがいる家族はぜひ、予防接種をうちましょう。
  
  インフルエンザの予防接種はいつ頃うつべき?

ワクチンの効果は、接種後2週後〜5ヶ月くらいとされています。
はやいと10月頃からインフルエンザが流行りだす年もありますし、
遅いと34月頃までインフルエンザにかかっている人がいることを考えると、
10月中にうつのが一番効果的だと思います。

  予防接種以外にインフルエンザにかからないようにする方法はない?

あります、いわゆる自分の『免疫力』です。

これはあくまで日頃の印象で、
医学的根拠がある話ではないのですが、

普段から風邪をひきやすい子は、
わりと毎年インフルエンザにもかかりやすい気がします。

よく食べて、よく寝て、
しっかり体力をつけておくと、
普段から風邪もひきにくいですし、
インフルエンザにもかかりにくいと思います。


ということで、最後にもう一度まとめると、

ü   インフルエンザの予防接種はうちましょう!
ü   予防接種をしても、かかるかもしれないけれど、重症化を防げる。
ü   自分の免疫力が一番大事!よく食べてよく寝て、体調整えておきましょう!

妊娠中でもワクチンうっていいの?という疑問には、

こちらで回答していますので、ご参照ください。

2017年10月7日土曜日

我が家にどじょうがやってきました!水槽がなくても大丈夫!

こんにちは、すっかり秋になってしまいました。
9月はまだ暑くて、汗だくでお祭りに参加していたのに、、
一気に寒くなりました。

その9月のお祭りで、
長男が“どじょう”のつかみどりで、どじょうをつかみどってきました。

ママ友たちもみんな困っていて、
放流か、食べるか、??
と言いながらとりあえずどじょうを連れて帰宅しました。


すると、、
予想外にパパが食いついてしまい、
『どじょう飼うか!』
とノリノリ。。

このなんともいえないかわいいヒゲに惹かれてしまったようです。


でも、世話をするのは結局だれになるか、、と言えば、
ママへのしわ寄せは間違いないので、
ママはしぶり気味。。

パパもまだ決心つかぬ間、
とりあえず、水槽なしで飼い始めました。

まずは一番大きいボールへどじょうを放ちました。
が、どじょうの元気のよさが想定の範囲外で、
いきなり飛び出してしまいました!!
逃げ出した子をまたつかみどってボールへ戻して、急いでフタをしました!

ふぅ。

そして、ネットで情報収集。

どうやらどじょうは結構強いみたいで、
わりとどんな飼い方でも大丈夫なようです。

とりあえず、カルキ抜きした水で水換えしてあげるために、
もう1つ大きなボールを用意して、一晩水をはっておきました。

あとは、どじょうのごはんです。
エサに何をあげたらいいのか?

まだ飼い続けるかも分からなかったので、
どじょうのエサを飼うのはためらい、
調べると、豆腐やお麩をたべるようでしたので、
豆腐を、1mm角くらいに小さく切ってあげてみました。

すると大暴れ!!
めっちゃ食いついていました。

他に置く場所がなくて、やむを得ずキッチンに置いてましたが、
毎日水換えをした甲斐あってか、
フタをしていたためか、
においは全く気になりませんでした。

毎日水を換えたので、一応、毎日豆腐をあげていました。

こんな飼い方でも、毎日とても元気なので、
『やっぱりどじょうは強いんだね〜』
と話していたら、

同じくお祭りでどじょうをつかみどって帰ったお友達の家のうち、
2軒はどじょうさんお亡くなりになられたそうです。。

1匹は、飛び出したのに気づかれず、
廊下で小一時間放置されていたからのようです。

さすがに水中でないと生きられないでしょうから、
空気中に放置されたら厳しいですが、
最低限のことをするだけで、水槽がなくても元気に飼い続けることができました。

どじょうを水槽ナシで飼う上で重要なことは、

・一晩置いて、カルキ抜きした水で水かえをする
・とびだし防止のためにフタをする
・ごはん(豆腐、お麩など)をあげる

ということくらいですね。

あと、水換えの時は、だいたいもれなくどじょうが飛び出すので、
キッチンのシンクでやるのがおすすめです。

飛び出してもシンクの中なら捕まえやすいですし。

ボールの中のどじょうのその後は、また後日。。

2017年10月5日木曜日

母乳のネット通販!?

こんにちは、子ども2人、完母(完全母乳)で育てたうなぎいぬです。

別に自慢でもなんでもなく、
たまたま母乳がよくでて、
ミルク作るよりも母乳あげる方が楽で、
たまたま院内保育があって仕事の合間に授乳に行けたので、
結果的に完母になっただけです。

まぁそれなりにがんばったな、とは思いますが、
ミルク作るのだって大変やし、
ミルクだろうと母乳だろうと、
ママはみんながんばっているんです。

たまたま小児科学会のHPをみていたら、
気になる注意喚起を見つけました。

『インターネットなどにより売買される母乳に関する注意喚起』

インターネットで、母乳と称した商品が売買されていて、
それに希釈された人工乳が混入されていて、
しかも細菌汚染も認められた、

という報道を受けての注意喚起でした。

人工乳(ミルク)ならまだしも(ダメですけど)、
牛乳が混ぜられていたら、
1歳未満の子の体には負担になるかもしれません。

そもそも、赤ちゃんに、
しかも生まれたばかりのまだ免疫力も乏しい赤ちゃんに、
だれがいつどうとったかも分からない母乳(かどうかもわからないもの)を、
しかもネットで買って、与えるだなんて、

母乳は栄養があるから!と思ってのことなのでしょうけれど、
残念ながら本末転倒です。。

やっぱり今でも一部には母乳信仰があるのでしょうか。
母乳が一番、人工ミルクは悪!みたいに思っている人がいるのかもしれません。

でも、今のミルクはすごく改良されていて、
母乳に近い成分が十分に摂取できるようです。
ミルクで育った子がとりわけ体が弱い、とかもないですし。

それに、母乳のよいところは、
栄養や免疫だけではなくて、
授乳そのものがスキンシップになることも、
母乳のメリットです。

なので、たとえさほどでなくても、
少しだけでも直接授乳して、
足りない分はミルクで、と、混合にすればよいんです。

もちろん、夜中の授乳はパパに任せたいから!
とか色々な理由で、早々に離乳させてあえてミルクで育てるママもいます。

どんな形でも、しっかり愛情を注げば、
赤ちゃんは元気にすくすく育っていきます。

母乳でないとダメ、と、かた苦しく考えずに、
おおらかに、ゆったりと、育児を楽しみましょう!

とか言いながら、うなぎいぬは全然ゆったりしてませんが(苦笑)。
毎日キーキー言ってますが、とりあえず育児は楽しんでます♪

2017年10月4日水曜日

切迫早産の既往あり、、頚管縫縮術を受けるべき??

切迫早産の患者さんはたくさん診てきましたが
幸いにも自分は切迫早産にはなったことがないうなぎいぬです。

たまたまyahoo!ニュースで、
『261gで出生した赤ちゃん、3290gで無事退院』
というニュースをみかけました。

この赤ちゃんは4ヶ月はやくうまれたとのことなので、
おそらく24週くらいで産まれてしまったのでしょう、、

それでも助かる時代になったんだなぁと、
NICUの先生方を尊敬しつつ、

このご家族にとってまだまだ試練は続くだろうな、、と案じます。

うなぎいぬの長男は今5歳で保育園の年中さん、
同級生に、足に少し麻痺があるお友達がいます。
まさに、早産で産まれてしまったがゆえの障害です。

今の日本の新生児医療はすばらしくて、
NICUが充実した病院であれば、
本当に、ニュースのような小さな赤ちゃんでも助けてくれます。

でも、やはり中には早産による障害が残ります。
麻痺だったり、視力障害だったり、難聴だったり。

それを考えると、やはり避けられる早産は避けるべきで、
そのために我々産婦人科医は日々尽力しています。


もちろん、なんの予兆もなく、突然、
早い週数で破水してしまうこともありますが、

たいていは、お腹が張っていたり、
いわゆる切迫早産の症状があることが多いです。

『切迫早産』と一言で言ってもいろいろで、
詳しくはこちらをご覧下さい。

切迫早産になるかどうかを予想することはできないのですが、
1つだけ参考になるのは、
前の妊娠の時に、切迫早産になっていたかどうか。
(なので、はじめての妊娠の場合は予測できません。。)

前の妊娠で切迫早産になっていた人は、
ほぼ間違いなく次も切迫早産になります!

なぜならば、切迫早産になりやすい体質な上に、
上の子を抱っこしたり、一緒に遊んだりで、なかなか安静にできないからです。

はじめての妊娠の時は、いくらでも安静にできますが、
やっぱり上の子がいるとそうはいきません。

なので、前は切迫早産だったけど、入院するほどではなかった、
という人でも、
次の妊娠の時には入院することになってしまった、、

というケースはよくあります。

なにか対策はないものでしょうか?

  対策その1 なるべく安静にする

上の子がいるとなかなか難しいですが、
ちょっとお腹が張りやすくなってきたな、、
と思ったら、なるべくすぐ安静にする、

と少し心がけるだけでもだいぶ違います。

あとは、実家が近ければ、両親に頼る!
家事を手伝ってもらったり、子どもの面倒をみてもらったり、
もしくは、はやめに実家へ里帰ってしまう方もよくいます。

ご両親も、自分の家の方が家事など勝手が分かりますしね。

  対策その2 予防的に、頚管縫縮術を行う

なるべく安静にしても、それでも防ぎきれないことは多々あります。
なので、切迫早産になる前に、前もって、
子宮を支えている頚管をしばっておくのです。

切迫早産というのは、わかりやすくいうと、
『まだお産でもないのに、お産の状態に近づいてしまうこと』

診察では、
   お腹のはり
   頚管の長さ(頚管長)
   子宮口のひらき具合
を総合的に評価します。

頚管がだんだんと短くなって、
そのうち子宮口が開いてきてしまうわけですが、

お腹がはって頚管長が短くなってしまう人と、
お腹はさして張っていないのに、頚管がゆるんできてしまう体質の人と、
2パターンあります。

いずれにしても、頚管長が保たれて子宮口が開かなければよいのです。

そのための処置が、『頚管縫縮術』です。

頚管をしばって、それ以上は短くならないように、ひらかないようにするのです。
すごく単純で分かりやすい話です。

一応、論文上は、頚管縫縮術で早産予防効果はない、といわれていますが、
(つまり、早産になるかならないかに、頚管縫縮術するかしないかは影響しない、ということ)

少なくとも、入院しないですむ効果はかなりあると実感しています。

なので、前回の妊娠中に切迫早産になっていた人や、
実際に早産になってしまった人には、
頚管縫縮術をおすすめしています。

ただ、ご本人が希望されないことが時々あります。

本人が、『やりません』といって頚管縫縮術しなかった人が、
結局、妊娠の途中で切迫早産になってしまい入院を余儀なくされる、、
というケースが最近続いたので、
一度まとめておかなければ、、と思ったのです。

前回は入院するほどではなかったから、今回もきっと大丈夫、と楽観視しているのか、

上の子がいるからたとえ一泊でも入院はできない、なのか、

前回も入院したけど、きっと今回は大丈夫、と思っているのか、

理由はいろいろだと思いますが、

一泊入院でできる頚管縫縮術をしなかったがために、
その後、長く入院するハメになってしまう可能性があるのですが、、

なかなかそのリスクを現実のこととして捉えてはくれないようです。

上の子がいる中での長期入院は、ご家族もかなり大変です。
なにより、お子さんもつらいですし、ママもつらいと思います。

もちろん、頚管縫縮術をしても、
それでも入院が必要になる人も中にはいますが、

頚管縫縮術をしないよりは入院期間が短くすむはずです。


赤ちゃんのためにも、上の子のためにも、
ママのためにも、家族のためにも、
切迫早産の入院を避けることができるなら、
避けるべきだと思います。

そのためにできることは、
頚管縫縮術と、無理のない妊娠生活を送ることです。

最終的には、ご家族で話し合って決めて頂くのですが、
この話が少しでも参考になれば幸いです!

頚管縫縮術の適応があるかどうかはケースバイケースなので、

必ず主治医の先生とご相談して下さいね。

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