2017年10月4日水曜日

切迫早産の既往あり、、頚管縫縮術を受けるべき??

切迫早産の患者さんはたくさん診てきましたが
幸いにも自分は切迫早産にはなったことがないうなぎいぬです。

たまたまyahoo!ニュースで、
『261gで出生した赤ちゃん、3290gで無事退院』
というニュースをみかけました。

この赤ちゃんは4ヶ月はやくうまれたとのことなので、
おそらく24週くらいで産まれてしまったのでしょう、、

それでも助かる時代になったんだなぁと、
NICUの先生方を尊敬しつつ、

このご家族にとってまだまだ試練は続くだろうな、、と案じます。

うなぎいぬの長男は今5歳で保育園の年中さん、
同級生に、足に少し麻痺があるお友達がいます。
まさに、早産で産まれてしまったがゆえの障害です。

今の日本の新生児医療はすばらしくて、
NICUが充実した病院であれば、
本当に、ニュースのような小さな赤ちゃんでも助けてくれます。

でも、やはり中には早産による障害が残ります。
麻痺だったり、視力障害だったり、難聴だったり。

それを考えると、やはり避けられる早産は避けるべきで、
そのために我々産婦人科医は日々尽力しています。


もちろん、なんの予兆もなく、突然、
早い週数で破水してしまうこともありますが、

たいていは、お腹が張っていたり、
いわゆる切迫早産の症状があることが多いです。

『切迫早産』と一言で言ってもいろいろで、
詳しくはこちらをご覧下さい。

切迫早産になるかどうかを予想することはできないのですが、
1つだけ参考になるのは、
前の妊娠の時に、切迫早産になっていたかどうか。
(なので、はじめての妊娠の場合は予測できません。。)

前の妊娠で切迫早産になっていた人は、
ほぼ間違いなく次も切迫早産になります!

なぜならば、切迫早産になりやすい体質な上に、
上の子を抱っこしたり、一緒に遊んだりで、なかなか安静にできないからです。

はじめての妊娠の時は、いくらでも安静にできますが、
やっぱり上の子がいるとそうはいきません。

なので、前は切迫早産だったけど、入院するほどではなかった、
という人でも、
次の妊娠の時には入院することになってしまった、、

というケースはよくあります。

なにか対策はないものでしょうか?

  対策その1 なるべく安静にする

上の子がいるとなかなか難しいですが、
ちょっとお腹が張りやすくなってきたな、、
と思ったら、なるべくすぐ安静にする、

と少し心がけるだけでもだいぶ違います。

あとは、実家が近ければ、両親に頼る!
家事を手伝ってもらったり、子どもの面倒をみてもらったり、
もしくは、はやめに実家へ里帰ってしまう方もよくいます。

ご両親も、自分の家の方が家事など勝手が分かりますしね。

  対策その2 予防的に、頚管縫縮術を行う

なるべく安静にしても、それでも防ぎきれないことは多々あります。
なので、切迫早産になる前に、前もって、
子宮を支えている頚管をしばっておくのです。

切迫早産というのは、わかりやすくいうと、
『まだお産でもないのに、お産の状態に近づいてしまうこと』

診察では、
   お腹のはり
   頚管の長さ(頚管長)
   子宮口のひらき具合
を総合的に評価します。

頚管がだんだんと短くなって、
そのうち子宮口が開いてきてしまうわけですが、

お腹がはって頚管長が短くなってしまう人と、
お腹はさして張っていないのに、頚管がゆるんできてしまう体質の人と、
2パターンあります。

いずれにしても、頚管長が保たれて子宮口が開かなければよいのです。

そのための処置が、『頚管縫縮術』です。

頚管をしばって、それ以上は短くならないように、ひらかないようにするのです。
すごく単純で分かりやすい話です。

一応、論文上は、頚管縫縮術で早産予防効果はない、といわれていますが、
(つまり、早産になるかならないかに、頚管縫縮術するかしないかは影響しない、ということ)

少なくとも、入院しないですむ効果はかなりあると実感しています。

なので、前回の妊娠中に切迫早産になっていた人や、
実際に早産になってしまった人には、
頚管縫縮術をおすすめしています。

ただ、ご本人が希望されないことが時々あります。

本人が、『やりません』といって頚管縫縮術しなかった人が、
結局、妊娠の途中で切迫早産になってしまい入院を余儀なくされる、、
というケースが最近続いたので、
一度まとめておかなければ、、と思ったのです。

前回は入院するほどではなかったから、今回もきっと大丈夫、と楽観視しているのか、

上の子がいるからたとえ一泊でも入院はできない、なのか、

前回も入院したけど、きっと今回は大丈夫、と思っているのか、

理由はいろいろだと思いますが、

一泊入院でできる頚管縫縮術をしなかったがために、
その後、長く入院するハメになってしまう可能性があるのですが、、

なかなかそのリスクを現実のこととして捉えてはくれないようです。

上の子がいる中での長期入院は、ご家族もかなり大変です。
なにより、お子さんもつらいですし、ママもつらいと思います。

もちろん、頚管縫縮術をしても、
それでも入院が必要になる人も中にはいますが、

頚管縫縮術をしないよりは入院期間が短くすむはずです。


赤ちゃんのためにも、上の子のためにも、
ママのためにも、家族のためにも、
切迫早産の入院を避けることができるなら、
避けるべきだと思います。

そのためにできることは、
頚管縫縮術と、無理のない妊娠生活を送ることです。

最終的には、ご家族で話し合って決めて頂くのですが、
この話が少しでも参考になれば幸いです!

頚管縫縮術の適応があるかどうかはケースバイケースなので、

必ず主治医の先生とご相談して下さいね。

0 件のコメント:

コメントを投稿

男性用ピル!?

精子の運動率を可逆的に抑制する成分の、マウスでの研究結果が発表されました。 Inhibition of sperm motility in male macaques with EP055, a potential non-hormonal male contrace...