レディー・ガガが9月12日に『線維筋痛症』を患っていることを公表して、
当面、休養することになりました。
『線維筋痛症』って、初めて耳にする方も多いかと思います。
あんまりなじみがない名前ですが、
医者的にはわりと有名な病気です。
『線維筋痛症』というのは、
“全身の広範な部位に慢性の激しい痛みとこわばりが生じる、
しかし、検査では異常がない、原因不明の疾患”
です。
原因不明ではありますが、
おそらく、なんらかの『神経経路の障害』が原因なのだと思います。
知覚神経が過剰に反応してしまったり、
逆に、抑制経路がきかなかったり。
明らかな原因が判明していないので、
有効な治療法もありません。
中年以降の女性に好発して、
強い疲労、倦怠感、不眠、抑うつ気分などの訴えもみられます。
実際の臨床現場でどのように診断するかというと、
いわゆる『除外診断』です。
症状から考えられる他の病気の検査を色々して、
どれも当てはまらず、でも症状は一致する、、
という場合に、診断されます。
検査ではなにもひっかからないですし、
他人には理解されにくい病態で、
でも本人はものすごく辛いと思うので、
なかなかやるせない疾患です。
わりと様々な訴えが多かったり、
抑うつ気分を合併していたりしますが、
“とにかく痛い、、”という病態を考えれば、
そうなるのも無理はないのかもしれません。
逆に、精神的な疾患や精神的身体的ストレスから、
心身的症状が生じて、『線維筋痛症』と診断されている人も
もしかしたらいるかもしれません。
いかんせん、検査ではなにもひっかからないので、
診断も難しいですし、
レディー・ガガが本当に『線維筋痛症』なのかどうかは分かりません。
ですが、そこを追究する必要はないのではないかと思います。
つらいものはつらいんです。
つらい症状があって、
有効な治療がない、
それが全てで、
診断名はあとからついてくるものです。
レディー・ガガは以前に、レイプの被害を受けたことがあり、
それがトラウマとなっていることを公表しているので、
もしかしたらそういったことも影響しての症状かもしれません。
『線維筋痛症』を専門にされてらっしゃる先生にとっては、
厳密な診断について思うところがあるかもしれませんが、
今回は医学的な詳しい部分はあえて掘り下げないでおきます。
レディー・ガガの闘病などが収められたドキュメンタリー映画が、
ネットフリックスで9月22日から公開されているそうです。
原因も不明で、有効な治療もなくて、
すごく症状がつらい、、
そんな『線維筋痛症』に悩んでらっしゃる方にとって、
レディー・ガガの公表がとても強い励ましになるとよいですね。
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