こんにちは、自分はとっても月経不順なうなぎいぬです。
なので、産婦人科医になって、
毎月きっちり生理がくる人、
しかも、結構28日ほぼきっかりで生理がくる人が、
意外と多いことにビックリしました。
月経不順のはなしはまた後日にして、
今回は、生理の出血量(月経量)のはなしです。
ちなみに、『生理』と『月経』は同じ意味です。
『生理』が一般用語、
『月経』は医学用語、
といったところでしょうか。
『生理』の方がなじみがあるかもしれませんが、
一応ここでは『月経』に統一しておきます。
■ 1回の月経でどれくらい出血する?
月経量を自分ではかるのはむずかしいですが、
教科書的には、1回の月経で出血する量は平均約50mlといわれています。
あくまで平均です。
一気に50ml出血するとちょっとびっくりすると思いますが、
合計量なので、1日あたりにすると、
採血でぬかれる血の量くらいですかね。
4-5日間毎日採血されるイメージ。
これくらいなら、たいして貧血にはなりません。
■ 月経量が多いと??
さて、毎月きっちり月経がきて、
しかも、毎回大量に出血したらどうなるでしょう??
もちろん、貧血になります。
でも、人間の体ってすごくて、
というか、女性が強いと言うべきか、
毎回の月経で、少しずつ少しずつ貧血になっていくと、
体が慣れてしまって、相当な貧血でも意外と普通に生活できてしまうんです。
高地トレーニングしているアスリートみたいな状態です。
貧血の度合いをみる血液検査の項目は『Hb(ヘモグロビン)』で、
女性だと正常値はだいたい11-14g/dlですが、
10台の人も少なくないです。
ちなみにうなぎいぬは月経量が多いわけではないですが、
だいたいいつも10台で、11あったらいい方です。
女性ならHb 11あればまず問題ありません。
月経量が多いことを『過多月経』といいますが、
過多月経の人だと、Hbが4-5まで下がっていたりするのです!!
正常値の半分以下です。
さすがに、ここまで下がると、動悸がしたり、
階段のぼるだけで息がきれたり、
顔面蒼白になっていたりします。
ここまで低いと心臓にも負担がかかっていますので、
本当は輸血をしたいところです。
ですが、輸血はいいことばかりではなくて、
感染症のリスクが0ではないので、
鉄剤投与だけでなんとか頑張ることもあります。
輸血するかどうかは、出血し続けているかどうかなど、
他の状況も考慮して決めます。
ちなみに、ここまでの貧血になるほどの過多月経は、
本当に想像を絶する出血量です。
ちょっと血の塊がでる、、というレベルではなく、
夜用ナプキンが1時間もたないとか、
おむつ型ナプキンでももれてしまうとか、
もうトイレから出られないとか、
本当にビックリするほどの出血量です。
思い当たる方は、我慢せずにすぐ婦人科を受診しましょう。。
■ 月経量が少ないと??
婦人科外来でよくある質問で、
『生理の量が少ないんですけど、、もうすぐ閉経しちゃうんでしょうか??』
月経量が多ければ多いで困りますが、
みなさん、月経量が少ないと不安になるようです。
月経量が少ないと何か問題か?
結論から言うと、全く問題ございません。
そして、月経量が少ないからといって、
そのまま閉経するわけではありません。
むしろ婦人科的には、月経量が少ないなんてラッキー、
といったところです。
確かに、無排卵周期(排卵を伴わない出血)の可能性はありますが、
すぐに妊娠したい、というわけでなければ、
気にしなくて大丈夫です。
もし妊娠を希望している場合は、
基礎体温をつけて、ちゃんと排卵していそうかどうか、
確認してみましょう。
月経量って他の人と比べたりできないので、
みなさん不安に思ったりするようですが、
ü 月経量は少なくても心配ない!むしろ楽でラッキー!
ü 月経量が多すぎる場合は婦人科を受診しましょう!
これだけ抑えておけば大丈夫です。
お役に立てば幸いです。
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