こんにちは、若かりし頃、タトゥーってかっこいいな、と思っていたうなぎいぬです。
でも、医者になると決めてから、タトゥーと入れようとは思ったことはありません。
日本では、タトゥーの入った医者は残念ながら受け入れられないだろうな、
というのと、
医学部の形成外科の授業で、
タトゥーは完全には消せないこと、消そうとするのはとても大変なことを学び、
いくらかっこよくても、見えない場所でも、彫りません、と誓いました。
すみません、前置きが長くなりましたが、
『タトゥーを彫るには医師免許が必要』として、
医師免許のない彫り師に罰金15万円、という判決が9月27日に大阪地方裁判所で下されました。
判決理由は、
『感染症やアレルギーなどの被害が出るおそれがあり、危険性を理解するには医学の知識や技能が不可欠で、入れ墨の施術は医療行為にあたる』
というものです。
いやいや、びっくりです。
司法は大事な存在と認識していますが、
裁判所は時々信じられないような判決を下しますよね。
■ 彫り師とは?
いわゆる“タトゥー”や“入れ墨”を施す人のこと。
具体的には、皮膚に針を刺して色素を入れて、文字や模様を描いていきます。
ちなみに、タトゥーは体に彫るものだけではなくて、
眉やアイラインを入れ墨で入れる“アートメイク”も同じことです。
調べてみると、
“医療アートメイク”とか、“医師管理の下だから安心”とか、
アートメイクは顧客層が幅広いためか、
安全を前面に出しているところが多いですね。
“医療アートメイク”って何が医療なのかよく分かりませんが。
おそらく、一応施設に医師が所属しているとか、
アートメイクする人が看護師資格もっているとか、
そういうことですかね。
■ そもそも医療行為とは?
医療行為というのは、“人の傷病の治療・診断または予防のために、医学に基づいて行われる行為”で、“医療従事者のみ行うことが認められている治療や処置など、医学的な技術・判断がなければ人体に危害を及ぼす危険がある行為”のことです。
つまり、医学的知識・技術を要して、かつ、病気の診断治療のための行為、ということです。
■ 医者がタトゥーを彫るのか?
彫りませんよ。
うなぎいぬは医者ですが、彫り方知りませんし、医学部でも習いません。
“タトゥーの担当は○○科”なんてありません。
タトゥーを彫ろうと思って医者になる人はまずいないでしょう。
■ 資格制度を設ければいいのに!
誰もが思っていることだと思いますが、
ライセンス制度にすれば万事解決する話です。
既に彫り師としてタトゥーを彫っている人たちがいて、
でもその人たちは医者ではない、
そして、タトゥーを彫るという行為にはある程度の医療知識が必要、
となれば、美容師さんや理容師さんのように、
資格を設ければいいじゃないですか。
受験勉強頑張って医学部に合格し、6年間も勉強して、
医師国家試験に合格した医師に、タトゥーを彫らせるつもりでしょうか。
そこまで医療について学んだ人間には、
病気を治すという大事な使命があります。
逆に言えば、タトゥーを彫るのには、
医師のように、全ての病気についての知識は必要ありません。
感染症やアレルギー、非可逆的な施行であること、など、
医学部で学ぶことのうちのほんの一部でよいはずです。
タトゥーを安全に施すために必要な知識だけを確認する資格試験で、
その合格者にだけライセンスを発行すればよいと思います。
こんな簡単な話なのに整備されていないのは、
タトゥーそのものが日本社会で受け入れられていないからでしょうか??