2017年8月8日火曜日

36週で逆子に!?

こんにちは、うなぎいぬです。

先日、妊娠36週の妊婦さんの妊婦健診をしていたら、

「ん、、??逆子ちゃん、、??でしたっけ??」

35週まで普通に頭が下だったのに、
36週で突然、くるっとまわって頭が上に、
つまり、いわゆる“さかご”になってしまっていたのです!

妊婦さんたちは、みなさん、

“逆子じゃないですか??”

と心配されます。

20週台のうちは、
赤ちゃんがくるくる回れるくらいまだスペースに余裕があるので、
逆子かどうかは気にしなくて大丈夫です。

30週すぎてくると、
赤ちゃんも大きくなってきて、
赤ちゃんは頭が一番重いので、
重力に従って、頭が下にくることが多いです。

でも、中には頭が上の“逆子”状態の方が居心地がいい子もいるようで、
満期に入っても逆子の確率は3-4%

逆子だとなにが困るかというと、
普通にお産(経腟分娩)しようとすると、
赤ちゃんに合併症が生じるリスクが高くなるのです。

赤ちゃんは頭が一番大きいので、
頭が通れば、あとに続く体はスムーズに通りますから、
頭から出てくるのが一番安全なのです。

逆に、逆子ちゃんで、おしりからでてくると、
後に続く頭が通らなくなってしまったり、
途中で臍帯(へその緒)がはさまってしまって赤ちゃんが苦しくなったり、
といったリスクが高くなってしまうのです。

なので、逆子の場合、
はじめから帝王切開でのお産とするのが一般的です。

中には、今でも骨盤位分娩を行っている病院もありますが、少数派です。

やっぱり皆さんお腹を切られるのはイヤなので、
なんとか逆子がなおって欲しいと願います。

逆子をなおすにはどうしたらいいでしょうか?

まず、30週をすぎても逆子だったら、
逆子体操を指導します。

逆子体操は、同じ逆子でも、
赤ちゃんが右を向いているか左を向いているかで、
逆子体操の向きも違うので、
病院でちゃんと指導してもらってから、その通りにやって下さい。

2週間ほど逆子体操してもらって、
それでもまだ逆子だったら、

病院によっては“外回転術”を行います。

“外回転術”というのは、その名の通り、
外から赤ちゃんを回してあげる、という意味です。

ただ、これもリスクを伴います。
赤ちゃんを回そうとしたことが刺激となってお腹が張ってしまったり、
胎盤が剥がれてしまう常位胎盤早期剥離という危険な状態になったり、
などなど。
もちろん、そうならないように、無理のない範囲で行います。

外回転をトライしても、
回ることもあれば、回らないことも。

その時は外回転に成功して、頭が下になっても、
次の妊婦健診でみた時にはもとの逆子に戻ってしまっていることも。。

見る度に向きが変わってる、アクロバットな赤ちゃんもいます。

30週すぎて頭が下だったら、そこから回ることはほとんどないですよ、、
といつもお話していますが、

もちろん例外はあるわけで、、
今回のように、36週にもなっていきなり逆子になったケースは、
かなり珍しいです。

今回は、外回転をトライしたのですが、回らず、、
帝王切開の予定を組みました。

36週でまわった赤ちゃんですから、
また自分で戻るかもしれませんし、
帝王切開の直前に必ずもう一度、赤ちゃんの向きを確認します。

頭が下か、おしりが下か、
赤ちゃんの向きは赤ちゃん次第なので、
最後は赤ちゃんに任せるしかありません。

赤ちゃんは元気に産まれればそれが一番!なので、
帝王切開だからといって残念がらないでください。


帝王切開も立派なお産ですよ♪

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